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2004/04/27

ダービー

 衝撃が駆けめぐっていた。アマラオの退団発表である。優勝の可能性がある以上、今は目前の敵を倒す事に集中しなければいけないはずである。余計なSentimentalismに浸っている時ではなかろう。試合の当日まではそう思っていた。でもやはりいつもと何かが違っていた。アウェイ側に行って相手を煽るのもそう。花火を打ち上げるのもそう。この日はアマがリーグ戦のホームスタジアムに立つ最後の日なのだ。“アマラオのためにタイトルを!”やはりこうなった。

“Funs! Your Tern. You'll Never Walk Alone.”
スタジアムの巨大ビジョンには、セピア色した、あの頃のアマラオが、みんなと一緒に笑っていた。知らぬ間に画面は、滲んで歪んでよく見えなくなっていた。
 星を落とした方が優勝戦線脱落という、東京ダービー史上一度も無かった状況で、主審岡田正義のキックオフの笛が鳴る。
 ヴェルディは、往年を彷彿とさせるショートパスの交換から中盤を支配したが、9番のコンディションの悪さが影響したのか、ゴールを決められずにいた。ゲームを支配されたまま、0-0で前半戦は終了する。
 後半戦の後半、このまま終われない原博実は、三浦文丈を外して阿部吉郎を投入し、攻め続ける意志をピッチに立つ東京の選手に伝えた。左サイドを突破したケリーの左足のクロスに飛び込んだのは、ある時期の不調を完全に脱したその阿部吉郎である。このまま試合を乗り切りたい原博実は、ラストゲームではなかったら、本来ならアマラオを外すべきだったはずだが、誰か(詳しいことは自分で調べる)に代えて浅利を投入する。しかしここから東京は、ロスタイムを支えきれず単純なミスから同点とされてしまった。
 スタジアムが怒号と悲鳴に包まれる中、こうしてアマの最後のホームゲームは幕を閉じた。そして俺たちの“アマラオのためにタイトルを!”という夢は夢のまま、永遠に手のとどかないものとなってしまった。

 『今ではキングという称号も、サポーターが親しみをもって呼んでくれている、彼らの敬意から生まれた言葉なのだと理解して、受け入れられるようになりました。ありがたいと思います。僕は東京のキングでも日本のキングでもありません。きっと、彼ら一人一人の心の中のキングなのだろうと、そう思っているのです 。』
ワグネル・ペレイラ・カルドーゾ

たとえこれが最後でも、俺は泣くもんかと思っていた。
後ろも前も右も左も泣いていた。気がつけば俺も泣いていた。
心の中の失う物の大きさに、気づいて俺は泣いていた。

SさんもGさんもIさんもIさんもYさんもKさんもOさんもSさんもM君もA君もK君も、まわりの知らない奴もみんなみんな泣いていた。

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