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2004/08/03

ガリシア戦記

リアソール電光掲示板

ガリシア戦記

スペインサッカーが大好きな原博実は、東京の監督に就任した途端に、スペイン流の、サイドに大きく開いたMF とSBのコンビがサイドを切り崩していく【4-2-3-1】を東京にもたらした。そのスペイン好きは毎年増すばかりで、自分がお手本としているガリシアはラ・コルーニャの誇り【R.C.ディポルティボ・ラ・コルーニャ】の練習場へ出かけて行っては、練習方法を見学したり、サッカー理論を学んだりを続けた揚げ句、なんと監督イルレタ本人と個人的な親交を持つまでなったそうな。

なんかカコイイおやじ


よ~くお聞きよ皆の衆!運命の賽子はどう転ぶか解らない。
その“アミーゴ”イルレタの招きで、今回は何とそのR・C・ディポルティボ・ラ・コルーニャと親善マッチができる運びと相成ったそうな。関係者に聞いたから間違いないよ。どうやら話の発端は監督どうしの話合いらしいよ。

マドリーやらバルセロナやらの大都会なんぞたぁいざ知らず北部のラ・コルーニャなんてなガイドブックを開いたってこれっぽっちも載ってやしない。ねぇ。あなた。さぁここが大事だ。今回を逃しちゃ、ラ・コルーニャに行ける機会なんざ、そう滅多にあるもんじゃねぇ。

アムステルダムとマドリーで飛行機を2回乗り換えて、ホテルに着いたは明け方の3時だ。しかも日本と時差が7時間も有りやがる。普通なら行くわきゃないが、ホラ、それはそのアレだ。loyaltyてやつだね。横文字で照れ隠ししてんで。へへへ。

デポルBとは名ばかりの、へなちょこチームを練習試合で軽ぅぅぅく捻って、弥が上にも俺の気持ちは盛り上がってきた。待ってろ!リアソール!ちょいとおまいのお顔を拝ましてもらおうじゃねいか。

スタジアムに隣接するオフィシャルショップで、先の威勢はどこ吹く風、ひとっ言のスペイン語も理解出来ねぇ俺は、【スミマセン コレヲ クダサイ】【クレジットカード ハ ツカエマスカ?】【スペインゴ ハ シャベレマヘンネン】【オカイケイ ヲ オネガイスルデス】などのスペイン語を、日本から持ちこんだB5のスケッチブックに書いてもらって、何かにつけて、これを見せてにっこり微笑むという屈辱外交を展開したのであった。畜生。

自己嫌悪で落ち込む俺が隣をひょいと見ると、どっかで見たことのある大男が立っていた。

ルケだ。

人生には何が幸いするか解らない。ホントだったらスペインに置き去りにされる運命にあった初歩のスペイン語会話スケッチブックには、ルケのサインが書き加えられ、最重要取り扱い品目として、トランクの奥深くに仕舞われたのであった。うひひ。

スタジアムに向かっていたら、“ディポルティボ トレス(3)! ト~キョ~ ゼ~ロ!”すれ違いざまに言われるは、ガキは両目の端を吊り上げて“チ~○~(東洋系の人口数十億人の国の人のこと)”と馬鹿にしてくるはで、結構楽しいアウエイはそろそろキックオフ。

バレロンを中心にピッチの上をボールが走る。パススピードも東京とは明らかに違う。ワンタッチでサイドが右から左に変わっていく。それでも東京はジャーンを中心に呉章銀、藤山、金沢が粘り強く対応していく。三浦文丈も前に前に出て行き激しく相手を潰していく。ルーカスは前を向いたら勇敢に仕掛けていった。栗沢は囲まれようがボールをキープしていた。馬場優太も果敢にシュートを打ってきた。

ハーフタイム。ここはリアソール。でもそんな現実感は無かった。仲間と一緒だから?東京が戦っているから?そんなことをぼんやり考えながら、ガリシア出身で1部リーグを9シーズン吹いているプエンテス・レイーラの後半開始の笛が鳴る。

楽勝を期待したスタンドからホームチームの不甲斐ないプレイにブーイングが飛び始めた頃、東京の左サイドを完全に崩したヴィクトルの右足で失点する。湧きあがる歓声、それからすぐの沈黙。
ここから俺たちは、アウエイチームがホームチームを凌駕するボール廻しを展開するのを目の当たりにした。途中で出てきた増嶋は、中盤の底で体を張り続け、俺はちょっと見直した。
後半43分。梶山陽平の相手クリアボールの真芯を捉えたキックが、遠いアウエイ側からもはっきり見て取れるほどのドライブが掛かり、モリーナの右手のはるか上を通りすぎネットを揺らした。
ロスタイム4分。もしかして勝てる?どうなるんだこりゃ?ゴル裏の俺たちが動揺した。
そしてレイーラの終了の笛。
沈黙するスタジアム。湧きあがる東京コール。
防護ワイヤーに張り付く俺たち。

どっかで撮った聖母

これを書いている今でもまだあれは夢だったんじゃねぇかと思えてくる。
でもこれだけは夢じゃねぇ。

この日、東京の選手は、試合に出ているスタメンはもちろん、サブもベンチもスタッフも原博実も全員が戦った。
遠いアウエイに集まった、東京を愛する全ての人たちもリアソールで戦った。
日本にて、乏しい情報に気を揉みながら東京の勝利を願って止まなかった人がいた。

そして俺はますます東京が好きになった。

このことだけは夢じゃねぇ。本当のことなんだ。

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