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2005/05/10

ゴール

最後の防御もむなしく
倒れたキーパーは、顔を地に伏せたまま
苦い光を見ようとしない。
チームメイトがひざまずき、
ことばと手で彼を立たせるとき、
その目からこぼれる涙を見る。

陶酔によってひとつに結ばれた、
ピッチにあふれんばかりの観衆。
勝者を囲み、首に抱きつく兄弟たち。
これほど美しい瞬間は
この空の下まれにしか見られない、
愛と憎しみに消耗するものにとって。

破られなかったゴールには、
もうひとりのキーパーがいる。だがその心は
体とともにそこにはない。
その喜びは宙を舞い、
遠くからの投げキスとなる。お祭りには、
と彼は言う、俺も加わっている、と。

『Umbert Saba:Cinque poesie per il gioco del calcio』
翻訳:堤康徳
『ユリイカ:06.2002:青土社』 

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