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2012/06/05

広州夜話

亜熱帯の湿気を存分に含んだ空気はどこからか漂ってくる名も知らぬ香辛料匂いと混ざり合い、我々の肌に執拗に纏い付いていた。広州駅前の広場には、夜ともなると様々な露店が連なり合い、行き交う人々の無秩序は、暮れのアメ横の雑踏がそこかしこに出現したと想像してみれば良い。

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駅から東へ5分ほど歩き、名も無き路地を入ったところに、その店はあった。ガイドブックには載っているはずもなく、おそらく観光客などは数える程しか来ない筈だ。厨房と土間にテーブルを置いてあるだけの、ドアなんて洒落たものはない、道路に面するところは全て開け放たれていた。マスターと勝手に俺たちが呼んだご主人と女将さんと料理人の今野とお姉さんの4人でやっている、おそらく地元の人に愛されている店。
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俺たちにメニューを読める者などいなかったが、幸いにして料理の写真が壁に貼ってあった。乾杯が済めば後は、冷蔵庫にあった青島ビールを飲み尽くすだけだ。メニューをひとつずつ潰していきそれぞれの口に合う料理を憶えていった。翌日には、有名な気取った名店と言われる処にも行ってはみたが、やはりこの店が俺たちにはお似合いのようだ。俺たちがこの店に出逢ったのは偶然じゃない、必然だったのだ。
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北京で酷い目にあった俺たちは、この店のおかげで中国がちょっぴり好きになっていた。マスターにしてみれば、ひたすら飲んで喰って、やたら金払いの良い日本人たちが好きになった筈だ。追加のビールが生ぬるいのしか出てこなくなった頃、明日も来るぜ!日本語で言ってみた。通じたかどうか解らないが、うんうん頷いたからきっと解ったんだろう。

翌日試合が終わった後に、また顔を出した。
マスターは流石に憶えていた。

こんだ30人以上が集まった。
マスターは驚いていたが喜んでいた。

明日も来るぜそう言って店を出た。
通じたかどうか解らないが、うんうん頷きながらマスターはにっこり笑った。
再見広州


また来るぜ広州。
俺たちはみんなそう思った。


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