趣味の演芸 2007

2007/11/30

天野屋利兵衛は男でござる。

本所松坂町天野屋利兵衛は、恩義ある赤穂藩に報いるために、江戸の浪士の武器調達に奔走する。しかしは大阪東町奉行所の知れるところとなり争乱準備の咎で投獄される。数々の拷問による吟味にも屈しない利兵衛に、自白を促すことは容易では無いと判断した大阪町奉行所は、利兵衛の長子を拷問の場に引き出し、白状せぬ時は子供を痛めつけるがどうかと利兵衛に迫る。

ここで有名な台詞が利兵衛の口から発せられる。

”どこの世に我が子の可愛くない親があるものか。されども信義は曲げられぬ。”

”天野屋利兵衛は男でござる。”

大向こうを唸らせる場面ですね。あたくしがぽぉっとするところございます。
歌舞伎の十段目ですが、最近はあまり掛からなくなったのが残念なことです。

もうすぐ忠臣蔵のシーズンですな。
テレビの時代劇でも必ずと言って良いほど挿入される、役者映えのするシーンでございます。明日”原博実は男でござる!”ってことになりますかな。

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2007/11/23

猫の災難

2007年11月22日 三越劇場 とっておき二人会

柳家小三治 : 小言念仏
桂 歌丸   : 質屋庫
      中入り
桂 歌丸   : 粗忽長屋
柳家小三治 : 猫の災難

チケットを入手するのが難しい噺家の筆頭が柳家小三治だろうと思う。
幸運が重り、最前列下手側という理想的な席の予約ができた。

使っている石鹸の話で、持ち時間の半分を使った小三治の小言念仏。
ハメものを使った歌丸の質屋庫、中入り後軽く流した粗忽長屋を経て、
本日のトリの猫の災難。

8月に聴いた、上野鈴本での柳家権太楼の長講1時間の”らくだ”が、今年自分が聴いた口演の中で一番だったが、この日の小三治の”猫の災難”が今年の一番の口演になった。

話自体は他愛もない筋立てで、主人公の家にやって来た男の、勘違いを勘違いと言い出せず、そこに生まれた食い違いをごまかすために主人公がいろいろ企むんだけど、それがますます食い違いを生み出してしまうという噺。

小三治が酒を飲むと本当に酒を飲んでいるように見える。小三治が酔っぱらうと本当に酔っぱらっているように見える。大袈裟な書きように思われるけど、本当にそう見えるのだ。『一に落ち、二に弁舌、三に仕方』という言葉があるが、柳家の面目躍如。

この日、小三治を見られたしあわせ。

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2007/11/08

どうでもいいはなし の16

江戸曲独楽

”いつもいつもありがとうございます。”

新宿末廣亭の芝居がハネて、プラプラと伊勢丹に向かって歩いていたら、脇から声を掛けられた。声の主は、キャリアの付いた大きい鞄を引きながら、釣り竿をしまっておくようなバックを肩から下げていた。最初誰だか思い浮かばなかったが、すぐに判った。江戸曲独楽のやなぎ南玉師匠だった。

キャリアの豊富な芸人さんは、高座から客席を見渡せると聞くが、本当なんだと仰天した次第。というよりも、自分みたいな半端な客にも、しっかりと頭を下げることができる芸人の心意気がよくて、久々にイイ気分になった。
これはつい最近の出来事。

江戸曲独楽といえば、日本刀の刃に独楽を乗せて切っ先で止めるという、刃渡りの曲というのがある。ちょうど南玉師匠の写真がそうだ。

地方の仕事で飛行機に乗ろうとしたら、凶器の持ち込みと疑われて別室に連れて行かれ、検査官に囲まれて芸を披露する羽目になり、しくじったら疑われてしまうかもしれないので、こんなに緊張した高座?はなかったとは、三増紋之助師匠の上野鈴本の芝居でのぼやき。

ビートたけしの『座頭市』でお座敷で独楽が回っているシーンがある。
顔は出てないけど、この紋之助師匠がやってるんだそうだ。

風車という曲だ。

伝統芸能に傾倒していく仲冬の候。

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2007/11/01

どうでもいいはなし の15

二代目 林家三平が誕生するらしい。

今朝テレビで流れていた。

高座同様クサイ会見。

藝もねぇのに前に出過ぎじゃね?林家。

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2007/10/15

どうでもいいはなし の14

柳家権太楼は自著【『江戸が息づく古典落語50席』/PHP文庫 2005年2月16日 第1版第1刷/】の中で、『笠碁』について、

ゆったりとした時間の流れが感じられます。(中略)しかし、場内をそういう雰囲気にしてしまうのは、一朝一夕にできるものではありません。テンポや勢いでもっていく噺ではないので、登場人物に年齢にだいぶ近くなった私ですが、『笠碁』はまだできません。同書160頁

と記している。
今年『笠碁』を聴くのは3回目である。自著にいう“まだできません”から、”やってみよう”という了見に変わってきたのであろうか。

中入り前の、茶飲み話というか座談会といか、力が抜けていて実に良かった。
若手噺家についての評論もあったけど、いちいちここには書きません。

桃太郎師匠は相変わらず可笑しい。

2007年10月14日 第1回特選落語会 柳家権太楼・昔昔亭桃太郎二人会 

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2007/10/04

ブームとはなんぞや

巷では”落語ブーム”だそうですな。ホントかよと疑っちゃいますが。九月上席夜、寄席の殿堂、上野鈴本には30人くらいしか入っていませんでした。中トリの権太楼師匠が、寝ていても構わないから、どうか帰らないでくれとお願いしていましたな。九月下席夜、寄席の歌舞伎座新宿末廣では、古今亭寿輔師匠が、これだけ客がいないと涼しくていいとボヤいていました。

巷で喧伝されているところの”落語ブーム”を受けたのかどうかは判りませんが、河出書房新社が良い本を文庫化してくれました。これが”落語ブーム”なんでしょうな。有り難く恩恵を受けておりますよ。

正岡容oヨセバヤシ
寄席囃子
正岡容寄席随筆集
正岡 容 著

定価819円(本体780円)
ISBN 978-4-309-40863-7 ● Cコード 0195


秋になると、あたしの思い出に、旧東京の寄席風景のいくつかが、きっと、儚い幻灯の玻瑠絵ほどに滲み出す。【163頁】

寄席が東京の庶民と共に生きていた時代の、それこそ銭湯と同じように町内に1軒あった時代に、寄席の淫乱と尊称を奉られた【同書193頁】ほどに寄席通いをしたのが、正岡容という人です。先々代の小さんだとか先代の柳枝だとか、顔と名前がほとんど一致しないというより、顔さえも知らない噺家の名前があがってるン。寄席の名前も神田立花亭だとか、京橋金沢亭なんてのがポンポン出てくる。

過ぎ去った時代を、古き良き東京を、味わうには良い本だと思いますな。

この本を読んで、寄席ってとこはイイとこだなんて過剰な期待を抱いて入ってくると、外れた時の衝撃が大きいので、ホドホドの期待を抱いて寄ってみましょう。

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2007/09/27

三越落語会

日本橋三越本店の6階にある三越劇場は今年で80周年なんだそうな。
奇数月に開催される落語会に足を運びましたよ。
ジジババ率の高い会だ。

左隣に座ったジィさん2人連れは落語を聴き続けて60年なんだそうな。恐れ入って奉り昔話に耳を傾ける。落語ファンはキャリアがものを言う世界。どんなに能書きほざいてもキャリアには勝てない世界。何故ならばこの人たちは、今やあたくしたちがCDでしか味わえない先代の文楽や先代の金馬や志ん生や圓生や可楽や柳橋やらの高座をリアルタイムで目の当たりにしているから。

春風亭柳朝: 悋気の独楽
林家いっ平:  荒茶
春風亭一朝: 淀五郎
桂 米助:   猫と金魚
三遊亭金馬: はてなの茶碗

トリの金馬師は足を悪くしているそうで釈台を前に置いての高座。
言い立てを間違えたけど、会場は暖かいお客さんで、みなさんニコニコして聴いていたのが印象的だった。

こういったほのぼのとした落語会はあたくしには心地いいな。
中にはその芸人だけを追いかけているオタやら青臭いガキの群れている、テンパった会もありますからな。

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2007/09/07

どうでもいいはなし の13

二代目林家木久蔵襲名。

大騒ぎする必要はどこにもない。

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2007/07/04

どうでもいいはなし の12

Photo_1滝田ゆう落語劇場
ちくま文庫
定価:924円(税込)
Cコード:0179 整理番号:た-11-2
刊行日: 1988/09/27 判型:文庫判
ISBN:4-480-02262-7
JANコード:9784480022622

滝田ゆうの独自の線と彩色は、我々が心に隠し持つ、ある郷愁を呼び覚ますのではないか。

落語という芸能は、
噺家の創造するイメージを、聞き手である我々が共有できた時に初めて成立する。
その共有するイメージは、
滝田ゆうの描き出す世界と見事にシンクロしている、と書くと褒めすぎであろうか。

子供の時分、親父の書庫に潜入しては、読めもしない『大人の本』に憧れた。
その中にあったのがこの本だった。
落語を落語と認識したのは、テレビでも寄席でもなく、実はこの本だった。
間を取るための何気ない1カットなど、ガキには絶対に解らない。
最近になってしみじみ良いなと思う。

ヒマとお金があって、落語にちょっとだけ興味がある人にお勧めな 
どうでもいいはなし。

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2007/06/28

どうでもいいはなし の11

昨日、ル テアトル銀座での落語会。

白酒、市馬、権太楼、小米朝と繋いだ良い流れを、トリがぶち壊し。

引退して小三治に名跡を譲ったが、自分自身の為にもいンじゃね? 

無理だよ。トリで寝ちゃったよ。

小米朝が達者だったてのが救いかな。

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